息子夫婦の住んでいる米国に行ってきた。そのことはあとで書くとして、その前日東京で泊まったときの話。
成田発のデルタ航空は午後4時過ぎの便だったので、その日に自宅を出ても間に合わないことはないのだが、何があるか分からないので、安全を期して前日東京泊とした。なけなしの小遣いを捻出しての旅行なので、泊まるところは安くなければならない。ネットで調べていたら、2970円、風呂とトイレは共同、ただしシャワーは24時間使えます、WiFiも無料と出てきた。これだと思い予約する。上野からバスに乗ってホテルまでの道順が写真付きで説明されている。
上野駅から南千住行きのバスに乗る。15kgはある大型ザック、これは飛行機に預ける荷物。それに加えて機内に持ち込む小型キャリアーバックと小型ザック。小型のザックはキャリアーバックの長く伸びるハンドルにくくりつけて運んでいた。大きなザックを背負い、二段にした荷物を引きずってバスに乗った。
座席に大型ザックを乗せたので座るのは悪いと思い立っていたら、「空いているところに座ればいいよ、金払ったのだから」と声をかけてくるおっちゃんがいた。60歳代か。「はい」と返事して荷物を置いた席の後ろに座る。「どこまで行くの?」と訊かれたので「清川2丁目で下ります」と返事すると、「ああ、ドヤだな。山谷だよ」と返ってきた。
私、「釜が崎にも行ったことあるから、慣れています」。釜が崎にはホームレスの人におにぎりと毛布を配る子どもに付いて回ったことがあったので、それを思い出して返事する。
その人は、いくらくらいのところに泊まるのか、3000円もするのなら高級だ、もっと安いところもある等と話しかけ、「何泊するの?」と訊く。「一泊です」。「一泊か、生活保護受給者にしては短いね」といわれ、初めてホームレスがねぐらを求めて移動しているとみられていたのを知る。
とても痛快だった。もう自分の顔から以前の職業相は消えているのだ、もう世間のどこの層にも属していない単なる貧乏人になったのだと思うととても愉快だった。
ホームレスと間違われて怒る人は多いでしょうが、逆に喜ぶ人は珍しいですね。
アメリカ紀行を楽しみにしています。
ぼちぼち書いています。ヨセミテもセコイヤ公園にも行きましたが、バーボンや地ビールや地ワイン、飲酒の旅でした。