福井県が推進している事業の一つに、「福井県特別栽培農産物認証制度」というのがある。これは、農薬や化学肥料をできるだけ抑えて作った農産物を県が認証するというもので、作る側が農薬や化学肥料を減らすことを目的にしていると同時に、消費者の農産物に対する信頼向上も目的のひとつになっている。
認証区分は①から④まで4段階あり、下記の図にあるような内容である。認証を受けるとここにあるシールを貼って出荷することになる。
①は農薬も化学肥料もまったく使わないというもので、我が家の農作物はこれに該当する。
シールの中に書かれている説明をよく見ると分かるように、農薬や化学肥料が、不使用からそれぞれ1/2以内に順次変わっている。
問題は2つほどあり、そのひとつは、一品目の作付面積が1アール以上でなければならないことである。これは、この制度の目的のひとつに消費者の農産物に対する信頼向上があるので、生産量が余りに少ないのは対象にしないことから来ている。ちょこちょこと売るような規模ではだめと言うことである。
我が家のカボチャ畑の写真。これで1アールある。
もうひとつの問題は、認証区分の図にあるように、認証区分①から④までシールのデザインがほとんど同じで、そこに書かれている文字をしっかり読まないと①か④かどれか分からないことである。
①で作るのはけっこう大変なのである。まず農薬処理されていない種を探さなければならない。農薬処理された種を使って栽培した場合、認証区分①に該当しなくなるが、次年度にこの種からできた作物の種を使うならば、認証区分①に該当することになる。
化学肥料を使ってはいけないので、我が家ではもっぱら菜種油かす(これだけ)を使っている。このほか、むしった草をそのままにしておいて適当に畑に戻すこともしている。
そんなこんなで苦労して作っている農作物は、たしかに、味がまったくと言っていいほど美味であり、食べた人は野菜ってこんなにおいしいものかと感嘆するのである。