福井県と滋賀県の県境上にある上谷山(1197m)に最初に行ったのは昭和53年2月11日であった。福井山岳会が県境縦走という壮大な事業をしている真っ最中、しかし、正確に言うと、このときは県境尾根の手前で足がつって政所さんと二人でイーグルを作って上谷山を往復して帰ってくる人たちを待っていたので頂上には行けなかった。みんなは7時頃帰ってきたと『県境をゆく』に書かれている。もう40年以上昔、当方34歳の時のことである。
その後も何度も上谷山に行った。小浜の朝日新聞支所にいたSさんたちとスキーで行ったこともある。これもずいぶん昔のことである。スキーが全く下手くそなHは帰りの急勾配でスキーを担いで下りたのを覚えている。
その後も山岳会60周年記念登山のときは朝日さんと手倉山経由で往復した。いずれも雪のある時期で雪のあるときしか行けない山である。延々と藪をこげば別だけれどそこまでして無雪期に行く気はしないだろう。
2019年3月9日(土)
自宅を5時前に出て十村でNさん、Iさんと合流。3人で集合場所の今庄のそば道場へ。6時半集合だったが10分ほど前に着いた。Mさんがすでに来ていた。しばらくして福井からTさんとYさんが来る。2台で宇津尾の集落から宇津尾谷川を遡り、送電線尾根に続くつづら道の下まで車で入る。
7時歩き始める。雪は全くない。葛折りの道を上ると、いつ頃まであったのか、かつてそこに小規模の集落があったことがわかる集落跡がある。五右衛門風呂の金桶やリヤカーの朽ちたのが草ぼうぼうの中に見える。広い林道をさらに進むと送電線尾根の巡視道に出る。大きな鉄塔に下で最初の休憩。ここまで30分ほどだったか。
巡視道には全く雪がない。こんな雪の少ない巡視道は初めてである。ところどころ霜柱が立っていて足下でショキショキと快適な音をたてる。そのまま進み、送電線が右側の谷に逃げるあたりから本来は尾根をそのまま進むのだが、今年は雪がなく、尾根をそのまま進めないので下から伸びてきている林道に入りそこを行くことにした。
日陰なの雪面は堅く寒い。
日の差しているところで2回目の大きな休憩。9:10。林道がいつまでも続いているのでそのまま行こうと決める。
このまま行くと頂上近くまで伸びていそうで(そうではなかったけれど)、途中から県境尾根にとりつき(10:00)、両側の眺めを楽しみながら頂上に向かう。
上谷山頂上着10:40。3時間40分かかった。風がきつく寒いので記念撮影だけ済ませ風のないところを探しに少し下がる。頂上からは白山、琵琶湖(初めて見た)、遠く青葉山まで見えた。残念なことに、余りにも寒く早々に退却してしまったので、頂上からの素晴らしい眺めを写真に撮るのを忘れた。
昼食を済ませ11:20下山開始。NさんとIさんはカンジキを着けた。余りのいい天気にみんなご機嫌。
のんびりと下りようと(くたびれてもいたし)、下についたのが14:40。3時間10分かかった。帰りに「365の温泉」に入って帰宅。6時前だった。楽し山行であった。