( 手前が経ヶ岳に至る尾根、その奥が加越国境、一番奥が白山、別山、三ノ峰)
2018年5月5日(土)晴れ
平泉寺7:10,剣の宮7:50,登山道分岐点8:30,三頭山8:50、法恩寺山まで3kmの看板9:30、中ノ平小屋10:10、法恩寺山11:20、下山開始12:15、平泉寺15:30
法恩寺山(1356m)は福井県側から白山山頂を目指す昔のルートの一つ越前禅定道(平泉寺がその起点)の最初のピークである。この越前禅定道、図を見ても、あるいは法恩寺山山頂に立ってはるか白山を眺めても、こんな長大なルートをよく行ったものだと思う。いまは誰もそのような気にならないのでないか。しかしである、我が山岳会の大先輩で前会長の宮本数男さん(故人)は、昭和34年の年末から2週間かけて仲間4人と白山山頂までこのルートを行ったのである。冬期、今と違って装備も食糧も格段に重く、その難儀は記録を見なくても察せるであろう。
われわれは、雪も消えたこの時期、新緑の平和そのものの法恩寺山を楽しんだ。
いつもの集合場所に6時15分、すでにYさんは来ていた。会の仲間にメールで参加を呼びかけたが、結局、今日はこの二人だけになった。平泉寺に7時前に着く。7時10分歩き始める。早朝の平泉寺は美しい。神社の中をしばらく登り山に入る。緑が美しい。
杉林を通り、剣の宮まではけっこう厳しい登りが続く。途中、昨年の台風の被害によるのか、大きな杉の木が登山道を塞いでいた。剣の宮から先は少しゆるやかになり、谷筋の登山道と尾根筋の越前禅定道との合流点からはなだらかな道。やがて三頭山に着く。8時50分。厳密に言えば、法恩寺山への道の途中に三頭山があるのでなく、ほんの少し道を迂回する形になるのだけれど。
(左奥が、越前甲)
三頭山から越前甲がよく見える。ここから幅の広い水平道が中ノ平小屋まで続く。傾斜のない広い道なのでいっこうに高度が稼げないが、まことに気持ちが良い。中ノ平小屋10時10分。途中にある案内板を見ると、われわれのペースはそこに書かれている時間より遅いペースで登っている。
小屋には4人のザックが置いてあった。ここから急な登り。しばらくして下りてくる4人組に会う。われわれより年配者か。石川県から来たという。昨晩小屋に泊まって本日法恩寺山。その帰りであった。
法恩寺山頂上の手前で残っていた雪が現れる。多くはないがやはり雪はいい。後ろから誰かが来る。会のO君だった。Yさんの会へのメールを見て追いかけてきたみたい。頂上着11時20分。4時間ほどかかった。1組の夫婦らしき二人がいた。白山、別山、三ノ峰。手前に大長山、右に経ヶ岳。経ヶ岳まで意外と近い感じがする。昼食を撮って記念写真。はしゃぎたくなるほどの天気と眺望である。(実際、O君ははしゃいでいた)
下山開始12時15分。カンアオイをYさんから教えてもらう。これがあるところにはギフチョウがいると。そんなことを聞いていたら、本当に出てきて、写真を撮ってください、と言わんばかりに石の上に止まった。カンアオイは地中に花を持っているというので、落ち葉をめくると茶色の花が出てきた。
ギフチョウとカンアオイに関してネットの記事から引用すると;
「ギフチョウのメスは芽吹いて間もないカンアオイ類の若葉に卵を産む。幼虫は柔らかい葉を食べ、初夏に落ち葉の下などで蛹(さなぎ)になる。そのまま夏、秋、冬と長い季節を過ごし、やがて次の春の訪れとともに固い殻を破って羽化するのだ。」
良いものを見せてもらった。
帰り、三頭山から谷筋側の道をとって下りる。これがひどい道で水浸し状態。靴はドロドロぐちゃぐちゃ、ここは通行禁止にしても良いくらいだ。3時半に平泉寺に帰り着いた。観光客の中を駐めておいた車まで歩く。「水芭蕉」で温泉に入り終了。