家を5時過ぎに出る。快晴である。今庄のそば道場に6時半過ぎに着いた。山岳会のT田さんがしばらくしてやってくる。そのまま2台で宇津尾集落まで。宇津尾谷川を遡って大きな砂防堰堤の道路脇に車を停める。ここから今日登る尾根まで林道が着いているので、衣装を整えて歩き始める。7時半だった。Hは雪が堅いと思ってアイゼンは持ってきたがスノシューは家に置いてきた。それが間違いだったことを尾根に出てから悟らされる。
450mくらいまでは林道を行きそこから杉の植林帯を少しだけ登り送電線の尾根に出る。下から30分ほどかかった。林道終点から尾根に出るまでの途中、帰りにここを通らなければならないことを考えて、所々赤いテープを木の枝に巻いた。赤いテープから次の赤いテープが見えるように付けていった。
尾根の雪はまだ柔らかく、堅いところもあるが、ツボ足ではズブズブと沈む。カンジキのT田さんにこの先ずっと先頭を歩いてもらった。送電線の尾根は今日で3回目なので標高と現在地の関係がよく分かる。遙か向こうに岐阜県との県境にある山、美濃俣丸や笹ヶ峰が見える。青い空が気持ちがいい。
柔らかい雪面に、多分3日前の日曜日のことだろう、スキーの跡がある。しばらく送電線の鉄塔沿いに登り、徐々にそれらが西の方に離れていくに従って、県境への真っ直ぐな登りになる。県境尾根に出たのが11時半。ここから頂上までは緩やかな登りである。
頂上到着12時半。3月9日、もう少しで頂上だったのにやむを得ず引き帰した1168mの県境尾根のピークがよく見える。あそこからなら30分では無理だと二人で話す。風が強いので少し下がったところで昼食をとる。
下山開始1時。帰りも、来た道の跡をたどるのだがズブズブと沈む。それでも下りは楽である。暖かい日の故か、行きの足跡がはやうっすらとしか見えない。ときどき深く沈んだHのツボ足の跡ははっきりと残っている。これが役に立った。
送電線の尾根からは林道に入り、車が停めてある所に下りなければならない。尾根から外れて林道に入る、その位置を探す。足跡と赤いテープが目印なので、それを探し出さなければならない。あった! テープを見つけたときは嬉しかった。これで車の所に真っ直ぐに着ける。つづら折りの道をたどって頂上から4時間で下山出来た。達成感のある満ち足りた一日だった。