名田庄の山に登る


 DSCN18572016520日、福井山岳会の仲間MさんとKさん、それに友人のFさんの3人と、旧名田庄村の今は誰もいなくなった朽ち果てた集落の永谷から「シンコボ」(811.5m、三等三角点 国土地理院の三角点名は永谷)に登った。 ここはかつて関電の揚水発電所の話があったところである。集落の昔の写真を見ると、「関電の電発に反対 永谷集落」と右から左に書かれた看板を掲げた家が写っている。 

お寺の裏の尾根に取り付く。お寺の横はお宮さん。どちらも屋根は落ち荒れ放題である。杉林の急登を100mほど登り傾斜が緩やかになった。昔歩いたと思われる道を認めることができた。その道に沿ってテレビの信号ケーブルが上に延びている。10戸足らずの集落の人たちがテレビの共同アンテナを設置していた当時の名残である。 DSCN1861

ギンレイソウが落ち葉の間から3本伸びている。別名ユウレイソウというようだが、真っ白で花のイメージでない。 DSCN1862

大きな葉っぱをいっぱい付けたホウの木が花を付けていた。花も大きかった。葉の上に付いているので下から見上げて写真にならない。  尾根は頂上に向かってわかりやすく延びているが、こういう尾根は登るときには問題ないのだが、下りに勢いよく下りるとついつい枝尾根に入って思わぬ所に出てしまうことがある。そんなところが2ヶ所あるのを地図を見て予め知っていたので、そこでは下りに迷わないよう赤いテープを付けた。 DSCN1914

 

若狭の山は異常に繁殖した鹿のせいで、藪は食い尽くされた状態になっていて、どこに行ってもかつての「藪漕ぎ」など全くしなくとも良くなっているが、今日の尾根は鹿の食べないアセビやユズリハが繁殖していて久しぶりの藪漕ぎとなった。けっこう苦労した。 DSCN1869

2時間半で頂上に着いた。1145分。三等三角点にタッチして互いに登頂を喜ぶ。三角点を前にして記念撮影。30分ほどいて下山を開始する。 DSCN1897

下りはあっという間に過ぎていくので、枝尾根が出ているところは慎重に下りる。登るときに付けた赤いテープや、Mさんの付けた白いテープがあり、それらが見えるとルートが正しいことが分かり、安心して下りることができた。「良いところに付けてあるでしょう」とHはお褒めの言葉を請求する。「いいところにつけてありますね」「たいしたものですね」と請求通り答えてくれるので山の人はいい人なのである。 ブナは競うようにして真っ直ぐ高く延びていた。Mさん「日の光をいっぱい浴びなければならないからね」DSCN1870 DSCN1908

熊が爪研ぎのために付けた傷があった。DSCN1915 DSCN1904タカノツメの花も見た。

下りに先週行った山、「遠敷端の高」が見えて一同感激する。DSCN1902    

Mさんは永谷集落に下りてきて、赤く錆びたブランコを見てひとこと。「このブランコは設置されたとき、子ども達は喜んだのだろうな」と。

シンコボ(永谷山)



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早川 博信

早川 博信

 

一念発起のホームページ開設です。なぜか、プロフィールにその詳細があります。カテゴリは様々ですが、楽しんでもらえればハッピーです。


名田庄の山に登る」への2件のフィードバック

  1. 奥祐治

    永谷集落のシンコボは、初めて知りました。
    この山行は、すごく勉強になりました。
    ありがとうございます。

    返信
    1. 早川 博信早川 博信 投稿作成者

      杉尾坂の方から行くと近い。永谷から冬にも行ったことがあり、季節が違うと全く風景が異なるので面白いですよ。

      返信

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